
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸は、青森県青森市に位置する歴史的な博物館船です。この船は、かつて青森と函館を結ぶ青函連絡船として活躍していました。八甲田丸は1964年に建造され、1988年まで運航されておりました。青函トンネルの開通によりその役割を終えた後、1990年に博物館として公開されました。 八甲田丸は、津軽丸型の第2船として建造され、総トン数は約8,313トン、全長132メートル、全幅17.9メートルの大型船です。最大速力は20.93ノットで、旅客定員は1,200名でした。この船は、青函連絡船の中でも最も長い23年7か月間運航され、多くの乗客と貨物を運びました。 現在、八甲田丸は青森市の文化交流施設として、特定非営利活動法人あおもりみなとクラブによって管理運営されております。船内は地下1階から4階まであり、各階にはさまざまな展示が行われております。1階の車両甲板には、かつて北海道で特急として使用されたキハ82形気動車や郵便車が展示されております。2階の船楼甲板には、乗船口や受付カウンター、飲食スペースがあり、3階の遊歩甲板には津軽海峡文化コーナーや青函連絡船記念館があります。4階の航海甲板には操舵室や通信室があり、煙突は展望台として利用されており、青森港や青森市内の景色を楽しむことができます。 また、館内には立体映像や模型を使って青函航路の歴史を紹介する展示があり、運航のシミュレーションゲームやパソコンクイズなども楽しめます。さらに、解体された羊蹄丸から移設された「青函ワールド」という原寸大ジオラマも展示されており、往年の青森の街並みを再現しております。 八甲田丸は、青森ウォーターフロントの中心施設として、地域の観光資源としても重要な役割を果たしています。青森港を訪れる際には、ぜひこの歴史的な船を訪れてみてください。青函連絡船の歴史とともに、当時の航海の雰囲気を体験することができるでしょう。