世界遺産
和歌山県北部の伊都郡高野町高野山に位置する、2004年(平成16年)7月に登録されたユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』として世界遺産の指定を受けている寺院。
周囲を1,000m級の山々に囲まれ、山中盆地のような形状の標高約800mの平坦地に100か寺以上の寺院が密集しており、それらの歴史遺産群とともに愛されています。
京都の教王護国寺と同じ、真言宗の宗祖である空海(弘法大師)が修禅の道場として拓いたとされ、弘法大師ゆかりのの山、真言密教信仰の中心のひとつとして、観光地として多くの人を惹きつけ続けています。
開創には面白い逸話があり、かつて空海が修行に適した土地を探して歩いていたところ、大和国宇智郡(現在の奈良県五條市)で、黒白の犬を連れた狩人に出会ったところ、狩人は犬を放ち、それについていくようにと空海に告げます。
空海がそのとおりにすると、今度は紀伊国天野(現在の和歌山県かつらぎ町)で土地の神である丹生明神(にうみょうじん)が現れ、その丹生明神に許され高野山を譲り受け、伽藍を建立することになったというもので、現在も高野山では狩場明神(前述の犬を連れた狩人)と丹生明神とを開創に関わる神として祀っています。
しかしながら山深いこのちを拓くのは大変なことで、空海の生きている間に完成した建物はごくわずかで、空海の死後二十年ほども経って、その志を継いだ甥の主導によりようやく一定の形を見たといいます。
戦国時代には織田信長と対立し、江戸期には火災に見舞われるなど、数多くの困難に見舞われましたが、創建以来、人々の信仰の拠点として時の権力者や天皇により保護され続け、現代において一層輝かしい宗教都市としての威容の中心を担っています。
アクセスは自動車なら国道480号を利用、京阪神エリアから一時間〜二時間半です。高野山駅からバスが出ており、それを利用すれば十分ほどですので、そちらが便利かもしれません。
浄土を模したとされる高野山の奥深い魅力をぜひ体感してください。